2023年8月24日

【読了】藪の中・羅生門・地獄変・蜘蛛の糸・杜子春・鼻/【読みたい本】あのこは貴族

わたしが搦め取った男でございますか? これは確かに多襄丸(たじょうまる)と云う、名高い盗人でございます――。馬の通う路から隔たった藪の中、胸もとを刺された男の死骸が見つかった。殺したのは誰なのか。今も物語の真相が議論され続ける「藪の中」他、「羅生門」「地獄変」「蜘蛛の糸」など、芥川の名作、6編を収録。

この講談社の本を読んだわけではなく、家にあった文学全集の中から1冊分ぐらい読みたいなと思ってこの本に収録されている作品「藪の中」「羅城門」「地獄変」「蜘蛛の糸」「杜子春」「鼻」を読みました。


「杜子春」「蜘蛛の糸」は子供の頃にうちに子供向けの本があって読んだ覚えがあります。「羅生門」「鼻」も読んでみたら昔読んだ記憶がありました。


「藪の中」は思ったとおり、良かった!「羅生門」でも思ったけれど、読んでいるとまるで映画が始まったかように頭の中に映像が自然と浮かんでくるので、どちらの作品もあんなに短い物語なのに一瞬にして引き込まれます。


しかも芥川龍之介の作品ってどこか妖しさがあるというか陰があるというか・・・「藪の中」や「羅生門」はストーリー的に不気味で妖しさ満載なのですが、そのほかの物語もどこか暗さ漂い、かつ最後がスーッと終わるのでミステリアスな雰囲気が残る感じがするのが好きです。


「地獄変」は他と比べるといろいろなシーンが出てきて読み進めてもいまいちどういう話なのか掴めないなぁ・・・と思っていたら、最後はまさか!?的な展開に。


散々、絵描き「良秀」の狂気じみた人物像を描写して読者をそちらに引きつけておきながら・・・大殿様の所行の意図が語り手のきっとこうだという説明のみで詳しく語られなかったので、もう一度読み直して大殿様はどんな人物だったかを振り返ってみたいと思いました。


私が持っている文学集には42話の短編小説が収録されているので、今後も少しずつ読んでいきたいなと思います。



さて、昨日は甲子園の決勝戦で慶応高校が優勝しましたが、OBの慶応愛がすごいなぁと驚きました。


それで思い出したのが、映画「あのこは貴族」でした。



この作品の中で、同じ慶応大学生でも大学から入った組と下から上がってきた組でなんとなく分かれている、みたいな描写がありました。


すごく興味深く見れたし好きな作品です。この映画を見て生きる世界が違うとはまさにこのことを言うのか・・・としみじみ思ったものです。


この映画の原作の小説が前々から読みたかったのですが、益々読みたくなりました。東京に戻ったら注文しようと思います。


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