2023年8月27日

【読了】刺さるマーケティング翻訳術

今日も翻訳関連の実用書を読了。

翻訳術を身につけて、心に届く英語を手に入れよう。
正確な意味が伝わる翻訳というだけでは、英語社会の人の心に届きません。価値観も、思考パターンも、感性も違うから。マーケティング文書の目的は相手に動いてもらうこと。翻訳でも「メッセージを届ける対象の明確化」「気づきづらい日本の価値観の意識化」「文章構造の違いや温度差の調整」で磨き上げます。プロが使う翻訳術で心に届く英語を手に入れよう。

マーケティング文書の英訳術に関する本です。Twitter(現X)でフォローしている翻訳者さんのツイートで知って興味を持ちました。

前半は翻訳術の説明と関連コラム、後半は実践編です。実践では著者が翻訳する際の実際のプロセスを踏みながら翻訳していく方法が分かりやすく紹介されていました。


著者は、マーケティング翻訳では「"訳す"のではなく、"自分で書く"つもりで取り組む」ことが大事だと主張されています。

なぜかというと、マーケティング文書は読みたくない人に「読ませる」ために様々な工夫が凝らしてありあちこちに仕掛けが鏤められているそうです。言語や文化の違いがあるため、原文をそのまま訳しただけでは伝えたいことがうまく伝わらない。だから日本語の原文を分析して意図を読み取った上で英語らしい表現に書き直すことが大切だとか。


ざっと斜め読みしただけですが、勉強になるのでまた後ほど原文と英文を書き写してみたいなと思いました。


私が携わってきた翻訳は報道取材の素材(インタビューを文字起こししたもの)やそれに関連する資料としての論文や報告書で、工夫は必要ではなくとにかく書かれていることや発言を忠実に訳す必要がありました。

この本のコラムに書かれていたのですが、翻訳の授業では「直訳」という言葉が批判の意味で使われることが多いそうですが、通訳学校の授業では大意を掴んだ訳だと「それは意訳ですね」とお叱りが飛んでくるそうです。

特にインタビューの翻訳をしているときは意図を汲み取る必要がある場面も多々ありましたが、その意図を汲み取るのは私の仕事ではなく番組を作る方々だと思っていたし、だからこそ裏方に徹することをいつも心がけて翻訳をしていました。

そのときは全然気がつかなかったけれど、この本を読んでなるほど、翻訳と言いながらも私がやっていた翻訳は通訳的な側面のほうが大きいからそういう心がけを自然と持っていたのだな・・・と納得しました。


なので、私はいわゆる「商品」としてクライアントに出し世に出す翻訳の仕事をしたことがなく、マーケティング翻訳にしても契約書翻訳にしても、そして今校正の仕事で携わっている治験関係の翻訳にしても、すごく興味津々かつ私もこういう翻訳ができたらいいなぁと思うけれど、難しそうだなと感じます。


それに加えて特に英訳は、この本を読んで改めて思ったのですが、若い頃にアメリカ生活を送ったこともあり英語は英語のまま理解しているため、日本語の原文を分析して意図を読み取ることはなんとかできてもそれを英語に変換するというのが私には難しい・・・。

頑張ればできるようになるかもしれないけれど今は翻訳よりも校正の仕事のほうが俄然楽しく感じているので、校正のスキルをもっと上げたいしそちらに情熱を傾けたい。


なんていうのは、恥ずかしながら、翻訳のスキルが足りないことに対して言い訳しているだけかもしれません💦


でも翻訳自体はやっぱり好きだし、今は前よりもだいぶ少なくなったとは言え翻訳の仕事も入ってこないわけではないので、日々精進して勉強を続けたいと思います。


さて、今度はまた小説に戻って、今は戦国の世を描いた遠藤周作の時代小説「反逆」を読んでいます。上下巻あるのですが、読みやすくスイスイ読み進められます。今上巻の3分の2を読み終えましたが、まだまだ先が見えません。最後がどうなるか楽しみ。

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