ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿。文庫オリジナルの第2弾日本への〈巡礼の旅〉の一歩をしるす「鎌倉・江ノ島詣で」、物語作家としての手腕が遺憾なく発揮された「美保関にて」「日の御碕にて」、私たちが忘れかけている風習や信仰を想い出させる「二つの珍しい祭日」「伯耆から隠岐へ」――代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で十編を新編集。小泉セツが語る感動的な『思い出の記』も付載する。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの第2弾!(KADOKAWA HPより)
それに加えて地元のことがこんなにも美しく描かれているのは、やはり嬉しいことです。
奥さんである小泉セツさんの思い出話もハーンという人を詳しく知る上でとても良い記録だなと思いました。また、怪談話を自分の言葉で話してほしいとハーンに言われて(本をそのまま読むとダメだしが出たそう)、ハーンのためになんとかこうとか奮闘するセツさんのお話も印象的でした。セツさんのハーンとの距離の取り方も絶妙な感じで、良いご夫婦だったんだなということが窺われました。
あの当時でさえ、ハーンは英語を話す日本人を嫌い、洋服を嫌い、西洋化していく日本を相当に嘆き悲しんでいましたが、今の日本を見たら心臓がいくつあっても足りないかもしれません…(ちなみにハーンは狭心症で亡くなりました)。
II巻も訳が素晴らしく、私がこうやって情景をありありと思い描きながら読めたのも、ハーンの文章力だけでなく訳の素晴らしさによるところも十分あったと思います。
あとがきで訳者の池田雅之さんが訳し方やハーンの文章に対する姿勢みたいなものについて言及されていて、ハーンが見た日本の素晴らしさをどうにか私たちに伝えたいという熱い思いが伝わってきました。
Iは2回読んでいますが、IIもまた読み直したいです。
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