2024年9月8日

漫画の英訳チェック

目次と索引チェックの作業がひととおり終わったので、ちょっととある翻訳者さんのnoteを読んでいたのですが、日本の漫画の英訳校正の話が出ていてそういえば私もやってすぐやめてしまったわ!と思い出しました。


私がやっていたのは、海外の翻訳者さんが訳した英語を日本語と照らし合わせて内容や英訳が合っているかなどをチェックする仕事でした。


長期の留学経験があることやずっと影像翻訳をやっていたこともあり、喋り言葉の翻訳やチェックのほうが私にとっては楽なので楽しかったのですが、とにかくすごい量の漫画があったりチェックに付随する作業が多くて大変でした。


ちなみに最初の面接のときからアダルト系も多いけど大丈夫?と言われていて、私自身はそんなに気にならないから大丈夫ですと言っていましたが、本当にすごく多くて驚きました。


「うふーん」とか「あはーん」系(実際にあった台詞はここでは到底書けない笑。そういう系統の言葉です)の英訳が結構勉強になりました。日常生活では使えないですが(笑)。


あとはファンタジー系が多かったです。転生もの?とか魔法系?とか。ほかにはBLも多かったですね。


私が若かりし頃読んでいたような普通の恋愛ものや青春スポーツものは皆無でした。


それはともかく、間違っているところは英語でいろいろ指摘しこうこうこういう意味だよと説明しないといけないことが多くてそれに結構手間がかかりました。


日本の文化に関わるところは特にどう説明したらいいんだろうとすごく考えなければいけないことも多かったし、そういったやり取りが何往復になることも結構あって。


しかも、「え、それはこういうこと?どういうこと?どうやって使ったらいいの?」などとここぞとばかりに聞いてくる翻訳者さんも多くて、だんだん面倒になりました。


単価もすごくいいわけではなかったのに、教えることまでやっていたら割に合いません。


一部すごい日本語理解力の持主だなと思う翻訳者さんもいましたが、日本語独特の表現や言い回しの部分が理解できなくて「想像で書いているだろ、おまえ!」と思わざるを得ない訳をする翻訳者さんもいて。そうすると結局私が訳を入れ直し、念のため翻訳者さんに「この英訳でいい?」と聞くやり取りがまた増えたり。


翻訳自体のクオリティは全体的には低くはなかったように思いますが、一部そういう翻訳者さんがいたり、すごく上手な翻訳をされている方でも1つ「ん?」と思うところがあると、その訂正や説明にすごく時間が取られたり。


でも何が一番大変だったかって、毎月出る大量の漫画を次々と完成させていかなければならないため、1クール3~4週間ぐらいで絶え間なくプロジェクトが続くという……


自分の予定に合わせてスケジュールを入れることはできましたが、終わりなく続く作業に早々とこれは無理かも……と思って少しやって、他の仕事が忙しくなったからといってやめてしまいました。


漫画の英訳や英訳チェックの仕事の求人も結構見かけますが、どんなに仕事がなくなってもたぶんもう一生手を出さない分野だと思います😂


こんなにスケジュールがぎちぎちでなければ、大変だったり面倒だったけど嫌いな作業ではなかったのですが、やはり漫画というジャンルはテレビ関係の仕事と同じく納期がすさまじく短いということを思い知らされました。


自分ののんびりした性格ではこういうスケジュールの仕事はできないなと実感した一件?でありました。


追記:余談ですが最近は漫画専用の翻訳アプリがあるみたいです。すごい時代!

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