2025年5月7日

【読了】門

GWも終わってまた通常運転の日々ですね。5日は立夏でしたが、これから夏に向けていい季節になっていくのでアクティブに動いていけたらなと思います。


GWは山口から幼馴染みが遊びに来ていて楽しく過ごせました。都心をぶらぶらしたのでまた東京散歩の様子も書こうと思います。


ひとまず今日もこれから仕事ですが、読んだ本の記録が溜まってきたので少しずつ投稿します。


略奪婚の先に幸せはあるのか――。
たまたま知った、親友のその後。果して宗助は、彼と会うのか避けるのか。
『三四郎』『それから』より続く、漱石前期三部作最終章。

親友の安井を裏切り、その妻であった御米(およね)と結ばれた宗助は、その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても積極的解決に乗り出すこともなく、社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。
『三四郎』『それから』に続く三部作。用語、時代背景などについての詳細な注解、解説を付す。
Amazon HPより


おすすめ度
★★★★☆

おすすめしたい方

・夏目漱石の有名作品を数作読んだことがある

主人公の宗助と、友人から奪って結婚した妻の御米のひっそりとした暮らしを淡々と綴った小説です。


この二人にどんな背景があったのだろうと思わせるような距離感を淡々とした日々を描くことで表現しながらも、なかなか過去のことを明かさない、読者の想像をかき立てるなんと巧みな構成なのだろうと思いながら読み進めました。


結局二人の過去が明かされたのは、最後に近づいた後半部分。しかも数ページあるかないか。詳細は語らず、ここでもどうなって友人から御米を奪うことになったのか、はっきり分からないままでした。


そして、禅寺の門をくぐって宗助はどうなったのか……。ここも想像していた結末とは全然違っていました。


淡々としていて大人のアンニュイな雰囲気が漂う物語でしたが、個人的には好きな作品でした。若い頃に読んでいたらつまらないと思っていたかもしれません。


淡々としているのに、次へ次へと読み進めたくなる、不思議な作品でした。



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