2023年7月13日

【読了】天地明察(上下)


天地明察(上)・ 天地明察(下)


有名な作品なので説明不要でしょうかね。

小説自体ずっと気になりつつ、去年だったかに映画を見てそしてようやく小説を読みました。やっぱりいろいろな賞を受賞するだけのことはあってとても面白かったです。


映画を先に見てしまったので、渋川春海のイメージは最初から最後まで岡田准一でした(笑)。映画を見る前にこの小説を読んだらどう感じたかは今となっては分かりませんが、この小説をすごく読み込んだのだろうなと思うくらい小説の中の渋川春海が映画で表現されていたと思います。


渋川春海の20代から晩年を描いているので、碁打ちの青年から測量の旅に出て新しい暦を作っていき改暦に尽力するまでの成長していく姿や、成功ばかりでなく幾度となく挫折し心が折れたりまた立ち上がったりする様子も印象的でなんだか励まされました。


人生のどのステージも比較的均等な比重で書かれていたように思うのですが、それがかえって軽やかかつ淡々としていてよかったし、春海の爽やかさも強調されていたように思います。すーっと読めてしまうから上下巻あってもまた読みたいなと思ったときに手に取りやすい感じがしました。


個人的には、一緒に旅に出た建部昌明と伊藤重孝の子供のようにキラキラと算術や星、夢について語る様子が好きでした。それぞれ62歳と57歳で春海とともに測量の旅に出て、自分の息子くらい若い春海を若造扱いせず1人の人間、仲間として接する姿は素敵だなぁと思いました。


そのほか周りの人々も皆いい人たちで、全体的に本当に爽やかな物語でした。


0 件のコメント: