2024年4月11日

【読了】日本の面影

昔一度読んだことがある本ですが、去年NHKの『100分de名著』を見てまた読みたくなり手に取った本です。


美しい日本の人々と風物を印象的に描いたハーンの代表作『知られぬ日本の面影』を新編集。松江を活写し、日本人の精神にふれた傑作「神々の国の首都」、西洋人として初の正式昇殿を許された出雲大社の訪問記「杵築─日本最古の神社」、微笑の謎から日本人の本質に迫る「日本人の微笑」など、ハーンのアニミスティックな文学世界、世界観、日本への想いを色濃く伝える11編を詩情豊かな新訳で収録。ハーン文学の決定版!(KADOKAWA HPより)


むむ、KADOKAWAの紹介文に校正者として指摘入れたい部分があるぞ。いや、あれはあれでいいのかな……でも分かりにくいぞ(笑)。


「怪談」でおなじみのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の紀行文&随筆集です。


アメリカから横浜に到着後~島根に向かうまでの記録、1年半少しの間松江で英語教師をしていたころの記録です。


日本に来て2年にもならないころに書かれたとは思えないほどの知識や描写に驚かされます。元新聞記者なので観察眼や洞察力が鋭い上に、美的感覚や感性も豊かな方だったのだと思います。


横浜に到着して1日目の記録は、読むほうも、初めて見る光景の数々にドキドキワクワクしているハーンの気持ちになってしまうくらい素敵な文章で大好きな章です。


全体的に日本や日本のことをとにかく称賛してくれてこそばゆい感じですが、本当に日本や日本人のことが気に入り愛してくれたのだなというのが伝わってきます。


訳者は『100分de名著』で解説をされていた方ですが、訳の日本語が素晴らしいなと読む度に感じます。訳者あとがきによると、原作のハーンの英語は「文体は息が長く、決して読みやすい英文とは言えない」とあり日本語訳をするのにかなり工夫をされたとのことです。個人的にはすごく素敵な文章だなと思っていて、何度読んでもどこか優しい気持ちになります。


「日本の面影II」もあるので引き続き読みたいと思います。

 

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