2024年1月10日

【読了】自分のための人生を生きているか

ひとまず簡単な記録のみ。


自分自身を自己蔑視や劣等感から解放し「私には私の人生がある」「私の最大の資産は私の心です」と胸を張って言えるようになれば、それだけで人生は安心かつ幸福なものになるということを訴えた内容です。


加藤諦三さん自身、権威的なお父様のもとで長年自分を抑圧して生きてこられたことは今までの多くの著書で知っていましたが、そこからどう「俺には俺の人生がある」と思えるようになっていったかの経緯が書かれていたことが印象に残りました。


「勝ち負け」で考えない心理学 
誰の人生でもない一度きりの人生を、自分らしく生きるか、流されて生きるか。劣等感にさいなまれる日々から抜けだすための心の持ち方(大和書房HPより)

以下は加藤諦三さんの公式HPより

この本の言葉が心の支えになる。人は変われる!


50年以上続くラジオ番組「テレフォン人生相談」で

相談者の悩みに向き合ってきた心理学者、書き下ろし最新刊!


自分の弱さをさらけだせず、勝てば勝つほど不安になっていく。

劣等感に押し潰され、「自分は役立たず」と思い詰めてしまう。


……いたずらに消耗していくあなたが、一番にしなければならないこととは?


◎競争意識が強ければ強いほど、最善よりも最高を選択しようとする。その結果、自己喪失に陥る。

◎本当の自分というものを犠牲にして、人の期待にかなって気に入られようとする。それは、悩みに火をつけているような努力である。

◎自分の注意が今、結果だけにいっていないか、その点を注意することである。

◎真の生きがいを感じられない人は、「私は私、あの人はあの人」という自我境界ができていない。

◎自分の人生は、誰のものでもない、自分自身のものだということを、私たちはいつも自分に確認しておく必要がある。etc.


競争意識のなかに自分を置き続ける生き方を、大胆に編み直していくための道しるべ


<著者コメント>

 心の拠り所を神や国家に求める時代は終わった。心の拠り所を自分自身に求めなければならない時代になった。

 中世のような神が死んでから、人間には二つの生き方があると私は思っている。

一つは人とつながる生き方であり、もう一つは人とつながらない生き方である。

人とつながらない生き方の原点は劣等感であり、復讐的勝利を目的とした生き方である。コミュニケーションがうまくいかないで、社会的支援がなく、心身ともに健康になれない傾向がある。


人とつながる生き方の原点は、安心感であり自己実現の生き方である。


人とつながる生き方をする人は、社会関係ができるからストレスに強い人になる傾向がある。肉体的にも健康になる傾向がある。

人とつながらない生き方をする人は、社会関係ができないからストレスに弱い人になる。社会的に孤立するから、どうしてもストレスに弱く毎日が緊張している。肉体的にも心理的にも健康にも良くない。毎日ピリピリしている。生きるのが辛い。

健康になりたければ、食生活も大切だろうが、健康になれるように生き方を変えることである。それは難しいことだが、人とつながる生き方に変えることは、健康には何よりも重要である。

「支えとなる社会的ネットワークを持つ人は、それほど強い社会的な絆を持たない人に比べて全般的に健康で、ガンや心臓病の罹患率も低く、(冠状動脈造影でみると)冠動脈の狭窄も少なく、病気になった場合でも入院期間が短くてすみ、感染症に対する抵抗力もある。

それに比べて、特に社会的に孤立している人は一般に死亡率が高く、関節炎、高血圧症、冠動脈心臓疾患、風邪、結核、その他の感染症を含むさまざまな病気の罹患率が平均よりも高い。」「註、Kenneth R. Pelletetier, Between Mind And Body; Stress, Emotions, And Health., Mind /Body Medicine,/edited by Caniel Goleman, Ph.D., and joel Gurin. Consumer Union, 1993, p.31」


肉体的健康と心の関係を考えただけでも、心は私たちの最大の資産である。しかし私たちは資産といえば、ともすれば経済的なことしか考えない。

60歳で定年になった時に、確かに経済的資産は大切な課題である。しかし有名企業の役員にまで「功なり名遂げて」定年でうつ病になる人も多い。

そういう人は、私の資産は私の心ですという発想すらないのだろう。

この本は、「私の最大の資産は私の心です」と言えるような生き方を考えた本である。


健康に関する本は書店に行けば山ほどある。栄養のバラアンスに注意をする、適度な運動を心がけるなどテレビでもどこでも色々と言われる。

それに比べると、生き方の違いが肉体的な健康にも大きく影響するという注意は少ない。免疫力を上げる食べ物の話も、色々とある。しかし生き方もまた免疫力に影響する。

要するに生き方は人間の全てに影響する。

食事のバランスや適度な運動も大切だが、生き方の問題は、人間が幸福になるか不幸になるかの究極の問題である。

[自分自身であり得ないのなら悪魔になった方がましでしょう]。「註、David Seabury, How to worry successfully、加藤諦三訳、心の悩みがとれる、三笠書房、1983年2月10日」, 150頁」

 本文中にも触れたようにこの言葉は決して極端すぎる言葉ではない。しかし食事のバランスがわるいなら、「悪魔になった方がましでしょう]とは、人は言わないであろう。

「態度が全てである」という本がアメリカにある。それは「言い過ぎだ」という人もいるだろう。しかし「間違っている」という人は少ない。そういう考え方もあるだろうという人が多いだろう。

しかし人生で「適度な運動が全てである」という人はいないだろう。

 私たちは「生き方の問題」はそのくらい大切だと思っている。

 その割には生き方の問題を考える機会は多くない。この本はその生き方の問題が人生に重大な影響を持つということをメインに取り上げた。

0 件のコメント: