2024年8月31日

【読了】史跡は語る 武蔵国(埼玉)編 教科書が伝えない歴史考察



「なんにもない」と県民が自虐する地、埼玉県を旅した歴史家・渡辺惣樹氏が史跡の声を伝える──濃厚歴史浪漫
日米近現代史研究家である著者の今回の考察領域は、時間軸では日本の古代から近代までとロングスパンだが、視察エリアは武蔵国こと「埼玉県」限定。そう、「なんにもない!」と県民が自虐する埼玉県の古墳、寺社、城跡、古道、碑文、地質遺産を、著者が現地で視察し、戦後教育が教えなくなったエピソードにも触れつつ歴史浪漫を解説する。エリア限定と言いつつも、ひっそり佇む寺社、道端のひとつの碑文も歴史の眼で見れば、その場にいながら日本列島各所からピースが集まり、日本国史のダイナミズムが全国規模で広がるのである。全埼玉県民必読の書。

<本書の内容>
第1章 家康の遺骸は日光にはない(川越市)
第2章 渡辺綱は鴻巣からやってきた(鴻巣市)
第3章 氷川神社は古代祭祀場だった(さいたま市)
第4章 芭蕉の旅と斎藤実盛(草加市・熊谷市) 
第5章 金錯銘鉄剣に記録された115文字(行田市)
第6章 日本武尊の東征の足跡を追う(秩父市)
第7章 古秩父湾 海辺だった秩父(秩父市・長瀞町・小鹿野町)
第8章 飯能戦争、帰化人、大東亜戦争の史跡(飯能市・入間市)
第9章 武蔵国から思う鎌倉武士の憂鬱(狭山市)
第10章 室町の関東はカオス、謀略に沈んだ太田道灌(越生町)
第11章 深谷の不思議と渋沢栄一(深谷市)
 

<本文より>
私には、旅先の現場に立つと、しゃべりたくてうずうずしている先人たちの声が聞こえる。
おれのことを、わたしのことを書いてくれという声である。
第2章で扱った渡辺綱は辞世の句を次のように詠んだ。
「世を経ても 分け越し草の ゆかりあらば あとをたつねよ むさしののはら」
先人の最高の喜びは、後世の人々にゆかりの地を訪ねてもらうことに違いないのである。
(出典:Amazon


埼玉県の史跡とそこにまつわる歴史が紹介された本です。史跡の紹介とは言いつつも、著者が歴史家の方だけに歴史の話のほうが多めでした。


「奔馬」の感想と比べたらあっさりな感想ですが(笑)、しっとり感と情趣感がにじみ出た大人の歴史旅という感じでよかったです。


歴史も良いですが、秩父(長瀞)の地形の成り立ちや江戸の地形をはじめとする地理学も盛り込まれていて、様々な角度から史跡が語られている点も今後の自分の旅の参考にもなりそうです。


学問は人生を楽しむためのものである。出世や威張るための道具ではない。地学の知識も人生を楽しむには良きツールである。(P175~6)


という言葉もいいですね。


渋沢栄一のお父さんの話のところで、私の尊敬する伊能忠敬の話もちらと出てきました。渋沢栄一のお父さんは藍染めで使う藍玉で成功した人なのですが、婿養子でしたが奥さんがとても出来た人だったようです。当時は婿養子に入ると大体奥さんが強くて大変だったようで、伊能忠敬も婿養子ですが伊能忠敬の奥さんは悪妻だったようです(笑)。


もう1つ、この本を読んで楽しかったことがありました。


源氏や平氏のことに関するお話も多かったのですがこの本を読む以前に仕事で平家物語を少し読む機会があったり、渋沢栄一のお父さんについても、少し前に書籍の校正で読んだことがありました。さらには、芭蕉の話も、先日校正をしたWeb記事で話題にのぼっていたのでかなり調べたし、大宮の氷川神社も何度か行っている好きな神社。


さらには出雲大社の話題も出たり、渡辺(渡部も含む)姓について「起源は埼玉の鴻巣」だというのも、私の父方の祖母の旧姓が「渡部(わたなべ)」でうちの周りにはたくさんある名字なので、なんだかいろいろな点がつながって教養が深まった感じがしてうれしかったです。


1つ、ん?と思ったのは、ちょっと校正的に「あれ?」と思うところがあったことです。今思い出せるだけで2つか3つ、ありました。徳間書店さんは中で校正されているのかな?こういうのも本を読んでいて勉強になりますね。



さて、昨日のブログでしばらく本は買わないでおこうと言っていたのですが、先ほど仕事で使う文具を買いに近所の本屋に行った際に、いろいろ本を見ていて1時間ぐらい滞在してしまい、1冊買ってしまいました😅



コロナ禍以降、コロナ対策のことだったりフリーランスのお仕事のことだったり給付金のことだったりについて調べるのに、それまでほとんど見ていなかった「X」がとても役に立ったのですが、それ以降朝晩お布団の中で「X」をやたら見てしまう癖がついてしまいました。


もともとはPC派なのでスマホはそれほど使わないほうだとは思うのですが、スマホを見る時間を減らしたいです。


帰ってAmazonで買ってもよかったのですが、やっぱり本屋で購入するのもいいですね。年も取ってきたし、ちょっとずつ生活にアナログを増やす(取り戻す?)ようにしていきたいなと思っています。


はて、、、仕事をしないまま16時になってしまいました。どうしよう・・・



0 件のコメント: